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こういった隙間が路地を豊かにする
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『奥行のある風景』の考察
空間(ものについても同じ)の豊かさを生むものは「奥行き」であると考え、いかに「連続性」を創り出すかが私の仕事と考えています。壁の向こうに気配を感じさせたり、ガラス越しにどこまでも視線を通すようにしたり。
また、建築の全ての部位で更新の効くシステムを築く事を模索しています。
かつて学校で「この世は無常なり。形ある物はいつかは朽ちていく。だから、日本の文化は物質そのものよりもそこに宿る精神を大切にした。つまり、建築はいつまでも生き長らえるよう腐心するより、永遠なものなどないのだから・・・と、仮設性に傾倒していった。」と教わった。
しかし、日本建築のシステムはそんな「佗び」「寂び」で語るものでなく、日本の風土の中で最大限に合理的に考え出された「永遠性」を求めたものでした。西洋は簡単に朽ちる事のない材料を選択したし、日本は何度でも交換する事で「永遠」を獲得しようとした。
「仮設性」とは「永遠性」の裏返しの言葉だったのです。
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